紀淡
きたん
名詞
標準
文例 · 用例
海抜三千尺という山の上から望む茅渟の海は、遠く視野のはて、紀淡海峡を去来する汽船の煙が長く尾を引いて、行方も知れず空に消えてゆく。
— 九条武子 『六甲山上の夏』 青空文庫
」「その百三十隻をもって、遊撃艦隊とし、われわれよりも先に出発させ、針路をまずグァム島附近へとって、日本艦隊をおびきよせ、そのあたりで撃滅し、次に北上を開始し、紀淡海峡をおしきって、瀬戸内海をつくんだ。
— 海野十三 『太平洋魔城』 青空文庫
「それでは紀淡海峡に集めないで、一隊を豊後水道にまわすことにしよう。
— 海野十三 『太平洋魔城』 青空文庫
「いや、おれは、紀淡海峡一本槍だ。
— 海野十三 『太平洋魔城』 青空文庫
舟の小さかつたせいもあるが、それは私が度々紀淡海峽で非常に荒れた日に見た怒濤よりもはるかに大きな波が荒れ狂ひ、舟艇は幾度か大波に呑まれようとした。
— 海野十三(佐野昌一) 『南太平洋科學風土記』 青空文庫
大坂湾の大なるに、紀淡海峡遠白し。
— 與謝野晶子 『晶子詩篇全集拾遺』 青空文庫
広島近くでは宮島、江田島、大阪近くでは播州の家島群島中鞍掛島、太島、宇和島、加島など、また淡路島の福良から由良へかけての荒い瀬戸、紀淡海峡などのものが本格ものとされているけれど、東京近くにも立派な河豚がとれる海がいくらでもあるのだ。
— 佐藤垢石 『海豚と河豚』 青空文庫
関西では土佐沖、鳴門海峡、紀淡海峡など七、八ヵ所を数えるに過ぎない。
— 佐藤垢石 『鯛釣り素人咄』 青空文庫