青函
せいかん
名詞
標準
文例 · 用例
(昭和十年十月十四日) * ある若い男の話である、青函連絡船のデッキの上で、飛びかわす海猫の群れを見ていたら、その内の一羽が空中を飛行しながら片方の足でちょいちょいと頭の耳のへんを掻いていたというのである。
— 寺田寅彦 『柿の種』 青空文庫
海峡の船に又あり五月より六月となり帰り路となり 青函連絡船の歌で棄て難い趣きはあるが、無意識に踏んだ韻が一面音楽的効果をあげてゐるせゐでもあらう。
— 平野萬里 『晶子鑑賞』 青空文庫
けれども、もしこの月半ばまで待ってみて、どうしてもそちらへ行く手筈がつかなければ(青函連絡は一艘でやっている由)忙しくなる前に、こちらから島田へ一寸でもお見舞に行って来てしまおうかと思いはじめました。
— 一九四五年(昭和二十年) 『獄中への手紙』 青空文庫
空爆で途絶していた青函連絡船は、今度は復員で一般の人をのせなくなってしまった。
— 宮本百合子 『播州平野』 青空文庫
ひろ子は、そこにいて、毎日、北のことばかり考え、青函連絡船の恢復を待ち、網走へ、網走へ、とばかり思いつめていたから。
— 宮本百合子 『播州平野』 青空文庫
そこで、津軽海峡の青函連絡船。
— 豊島与志雄 『どぶろく幻想』 青空文庫
十九日より四、五日青函連絡船がストップするので、十八日に樺太へ出発してくれという。
— 清澤洌 『暗黒日記』 青空文庫
急行列車がおくれるのは普通の現象であるが、このために指定の青函連絡船の第一便に間に合わなかった。
— 清澤洌 『暗黒日記』 青空文庫