網主
あみぬし
名詞
標準
文例 · 用例
鰯の漁が見たかつたので知人の案内状を持つて九十九里の濱の網主のもとへ行つた。
— 長塚節 『濱の冬』 青空文庫
濱は不漁がつゞくといふと貧乏な漁師共に懷をむしられるので網主はよく/\疲弊してしまふのだといふのであるが、それでも主人は濱の鉋屑が飛ぶやうな態度でなあに一網引つ掛けりや譯はねえと埃のついたチヨン髷を振りまはして一向苦にならぬ樣子である。
— 長塚節 『濱の冬』 青空文庫
そんなわけで、たださえ近在になりひびいている侍小路の山茶花屋敷に、このごろは、吉浦の網主のうつくしい妹ごさまがおうつりになったそうな、そしてだんなさまは、東京の大学のえらい先生さまで、お医者さまだそうなと、たちまち近郷近在のうわさのたねになりました。
— 橘外男 『亡霊怪猫屋敷』 青空文庫