桃湯
ももゆ
名詞
標準
文例 · 用例
五月節句の菖蒲湯、土用のうちの桃湯、冬至の柚湯――そのなかで桃湯は早くすたれた。
— 岡本綺堂 『綺堂むかし語り』 青空文庫
暑中に桃の葉を沸かした湯にはいると、虫に食われないとか云うのであったが、客が喜ばないのか、湯屋の方で割に合わないのか、いつとはなしに止められてしまったので、今の若い人は桃湯を知らない。
— 岡本綺堂 『綺堂むかし語り』 青空文庫
こんな殺風景なことをする程ならば、いっそ桃湯同様に廃止した方がよさそうである。
— 岡本綺堂 『綺堂むかし語り』 青空文庫
* 五月の節句(四、五の両日)に菖蒲湯を焚き、夏の土用なかばには桃湯を焚き、十二月の冬至には柚湯を焚くのが江戸以来の習であったが、そのなかで桃湯は早く廃れた。
— 岡本綺堂 『明治時代の湯屋』 青空文庫
暑中に桃の葉を沸した湯に這入ると、虫に喰われないと云うのであるが、客の方が喜ばないのか、湯屋の方が割に合わないのか明治二十年頃から何時か止められて、日清戦争以後には桃湯の名も忘れられて仕舞った。
— 岡本綺堂 『明治時代の湯屋』 青空文庫
それから『荊楚歳時記』から引いた元旦の式を述べた上文、〈以て山※悪鬼を辟く〉の次に、〈長幼ことごとく衣冠を正し、次を以て拝賀し、椒柏酒を進め、桃湯を飲み屠蘇を進む云々、各一鶏子を進む〉とあって、註に『周処風土記』に曰く、正旦まさに生ながら鶏子一枚を呑むべし、これを錬形というとある。
— 鶏に関する伝説 『十二支考』 青空文庫