総檜
そうひのき
名詞
標準
文例 · 用例
」と言つたといふくらゐ、総檜木作りの木の香も新しい立派な場所であつた。
— 織田作之助 『聴雨』 青空文庫
とうとう出たのは、掘割を、前にひかえた、立派な角店、――総檜の土蔵づくり、金看板を夜中ながらわざと下ろさず、堂々と威を張っているのが、いわずと知れた広海屋の本店だ。
— 三上於菟吉 『雪之丞変化』 青空文庫
――なアに、総檜、五百坪の普請とはいえ、店の一棟二棟、焼け落ちたとて、何を驚くことがあろう。
— 三上於菟吉 『雪之丞変化』 青空文庫
それまでは深川仲町で小料理屋をやっていたが、そのあいだにだいぶ溜めこんだと見え、ご改革を機会に京屋のとなりの長野屋という旅籠屋を買いとり、その地面へ総檜二階建のたいそうもない普請をし、茶屋風呂の元祖深川の『平清』の真似をして贅沢な風呂場をこしらえて湯治場料理屋をはじめた。
— 永代経 『顎十郎捕物帳』 青空文庫
すべてが総檜の建物で中中美事であつた。
— 室生犀星 『名園の落水』 青空文庫
総檜の破風造り、青銅瓦の錆も物々しく、数百千種の薬草霊草から発する香気は、馥郁として音羽十町四方に匂ったと言われるくらい、幕府の御薬園の権威は大したもので、もとより岡っ引や御用聞などの近付ける場所ではありません。
— 金色の処女 『銭形平次捕物控』 青空文庫
松永の館は総檜造りで、一間廊下は一枚板で張られて居り、障壁は悉く金地に絵をかいたものであった。
— 日本の悲劇 『鎖国』 青空文庫
門は総檜の冠木門にきまり、塀は大谷石。
— 山本周五郎 『季節のない街』 青空文庫