濁醪
どぶろく
名詞
標準
文例 · 用例
前の濁醪屋では、暖かそうな煮物のいい匂いが洩れて、濁声で談笑している労働者の影も見えた。
— 徳田秋声 『新世帯』 青空文庫
濁醪を引掛ける者が大福を頬張る者を笑ひ売色に現を抜かす者が女房にデレる鼻垂を嘲る、之れ皆|他の鼻の穴の広きを知て我が尻の穴の窄きを悟らざる烏滸の白者といふべし。
— 三文字屋金平 『為文学者経』 青空文庫
光を含み世に混じ、長統の跡を尋ね劉子の流を汲み、濁醪一引、俯して萬物の擾々焉たるを望むは、快は即ち快なりと雖も、醉生夢死、草木と何ぞ擇ばん。
— 高山樗牛 『人生終に奈何』 青空文庫
一痕新月印秋濤、浦上清風払鬱陶、英酒濁醪吾已飽、仏南今夜酔葡萄。
— 井上円了 『南半球五万哩』 青空文庫
つまらぬ事にくよくよせずに、一坏の濁醪でも飲め、というのが今の言葉なら、旅人のこの一首はその頃の談話言葉と看做してよかろう。
— 斎藤茂吉 『万葉秀歌』 青空文庫
是で酒瓶から直接に濁醪なり稗酒なりを掬んで、寒かったろうに一ぱい引掛けて行くがよいと、特別に骨を折った者をいたわっていたのである。
— 柳田国男 『木綿以前の事』 青空文庫
ウイスキイのドブロクとでも言いましょうか。
— 太宰治 『美男子と煙草』 青空文庫
さすがの酒豪たちも、ウイスキイのドブロクは敬遠の様子でした。
— 太宰治 『美男子と煙草』 青空文庫