苦汁
くじゅう
名詞
標準
bitter liquid
文例 · 用例
その涙の苦汁の様な濃い液体が凍り固まって、水飴の様に執念くこびり付いて居るのを、こちこち爪の先で叩いたりすると、かやはかすかな憐憫を覚え乍ら、また、何となく胸がせいせいして小気味のよい様な、酷たらしい快感が起るのであった。
— 岡本かの子 『かやの生立』 青空文庫
」 人間、この苦汁を嘗めぬものが、かつて、ひとりでも、あったろうか。
— ――当りまえのことを当りまえに語る。 『もの思う葦』 青空文庫
いくたびか一杯くわされて苦汁をなめながら、なおかつ小説家というものは実際の話しか書かぬ人間だと、思いがちなのである。
— 織田作之助 『可能性の文学』 青空文庫
ルソオが、やはり細君の以前の事で、苦汁を嘗めた箇所に突き当り、たまらなくなって来た。
— 太宰治 『東京八景』 青空文庫
共産主義者としての彼はまだ若く、その上にいはばインテリにすぎなかつたから、實際生活の苦汁をなめつくし、その眞只中から自分の確信を鍛へ上げた、といふほどのものではなかつた。
— 島木健作 『癩』 青空文庫
共産主義者としての彼はまだ若く、その上にいわばインテリにすぎなかったから、実際生活の苦汁をなめつくし、その真只中から自分の確信を鍛え上げた、というほどのものではなかった。
— 島木健作 『癩』 青空文庫
これらの過程に、民主的な文学者が、心に苦汁をかみしめながら、日本文学の問題として、文学全野にこの問題を語りかけなかったのは何故だったろう。
— ――いかに生きるかの問題―― 『人間性・政治・文学(1)』 青空文庫
最後の苦汁の一滴まで呑み乾すべき当然の責ある身にて候えば。
— 島崎藤村 『新生』 青空文庫
作例 · 標準
「豆腐作りには、この天然の苦汁が欠かせないんだ」と職人が桶を指差した。
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苦汁を直接舐めてみると、顔が歪むほど強烈な苦味としょっぱさが襲ってきた。
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豆乳に苦汁を加えると、みるみるうちに白い塊ができて豆腐の形になっていく。
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