蚊柱
かばしら
名詞
標準
mosquito swarm
文例 · 用例
それからまたどの映画にも必ず根気よく実に根気よく繰返される退屈な立廻りが、どうも孑※の群や蚊柱の運動を聨想させる。
— 寺田寅彦 『雑記帳より(1)』 青空文庫
自分の子供の時分、郷里ではそういう場合に「おらのおととのかむ――ん」という呪文を唱えて頭上に揺曳する蚊柱を呼びおろしたものである。
— 寺田寅彦 『試験管』 青空文庫
蚊柱の声の様に聞こえて来るケルソン市の薄暮のささやきと、大運搬船を引く小蒸汽の刻をきざむ様な響とが、私の胸の落ちつかないせわしい心地としっくり調子を合わせた。
— 有島武郎 『かんかん虫』 青空文庫
蚊柱のように唸るんでございますもの、そんな湯呑には孑孑が居ると不可ません。
— 泉鏡花 『浮舟』 青空文庫
可恐い夕立雲は、俥の行くにつれて、峠をむかう下りに白刃を北に返した電光とともに麓へ崩れて走つたが、たそがれの大良の茶屋の蚊柱は凄じかつた。
— 泉鏡太郎 『麻を刈る』 青空文庫
蜘蛛の圍の幻は、却て鄙下る蚊帳を凌ぎ、青簾の裡なる黒猫も、兒女が掌中のものならず、髯に蚊柱を號令して、夕立の雲を呼ばむとす。
— 泉鏡花 『月令十二態』 青空文庫
日は茂れる中より暮れ初めて、小暗きわたり蚊柱は家なき處に立てり。
— 泉鏡花 『森の紫陽花』 青空文庫
黄色く暮れ残った空に蚊柱の廻る音を聞きながら、三造はその前にしゃがんで手を合わせる。
— 中島敦 『斗南先生』 青空文庫
作例 · 標準
夕暮れの川沿いを歩いていたら、目の前に大きな蚊柱が立っていて思わず息を止めた。
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自転車に乗っている最中に蚊柱に突っ込んでしまい、目の中に虫が入って散々な目に遭った。
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「うわっ、あそこの電柱の下、すごい蚊柱だよ。別の道を通ろうか」
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街灯の周りに集まった蚊柱が、薄暗い夜道で不気味に揺れている。
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