恩に着せる
おんにきせる
表現動詞-一段
標準
to demand gratitude
文例 · 用例
かわいがったのを恩に着せるではないが、もとを云えば他人だけれど、乳呑児の時から、民子はしょっちゅう家へきて居て今の政夫と二つの乳房を一つ宛含ませて居た位、お増がきてからもあの通りで、二つのものは一つ宛四つのものは二つ宛、着物を拵えてもあれに一枚これに一枚と少しも分け隔てをせないできた。
— 伊藤左千夫 『野菊の墓』 青空文庫
いつまで恩に着せることはないじゃないか。
— 岡本綺堂 『廿九日の牡丹餅』 青空文庫
」と、獵師は稍靜かに、恩に着せるやうに言つた。
— 上司小劍 『石川五右衞門の生立』 青空文庫
」 旦那はタバコの脂の黒く染み込んだ反齒の口を大きく開いて、さも恩に着せるやうな調子でこんなことを言つた。
— 上司小劍 『兵隊の宿』 青空文庫
できない演説を無理にやるのは全くこのためで、やりつけないものを受け合ったからと云って、けっして恩に着せる訳ではありません。
— 夏目漱石 『文芸の哲学的基礎』 青空文庫
それに、ひょっとして、木津さんの手にでも入ったら、それこそえらい騒動になって、あなたや咲子さんにご迷惑をかけると思って、つつしんでおりましたねんわ」まるで恩に着せるような言い方。
— 久生十蘭 『猪鹿蝶』 青空文庫
夫 (苦笑する)妻 男つていふものは、家にゐることを、どうしてさう恩に着せるんでせう。
— 岸田國士 『紙風船(一幕)』 青空文庫
夫 何も恩に着せるわけぢやないさ。
— 岸田國士 『紙風船(一幕)』 青空文庫