びけ
びけ異読 ビケ
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文例 · 用例
左に従い来る山々|山骨黄色く現われてまばらなる小松ちびけたり。
— 寺田寅彦 『東上記』 青空文庫
二羽の烏の争ひて、 さつと落ち入る杉ばやし、このとき大気飽和して、 霧は氷と結びけり。
— 宮沢賢治 『文語詩稿 一百篇』 青空文庫
海からあがって来た風は軽便の煙を陸の方へ、その走る方へ吹きなびける。
— 梶井基次郎 『城のある町にて』 青空文庫
」 思はず振向くと、ふと背後に立つて、暮方の色に紛るゝものは、あゝ何處かで見た……大びけ過ぎの遣手部屋か、否、四谷の閻魔堂か、否、前刻の閻王の膝の蔭か、否。
— 泉鏡太郎 『深川淺景』 青空文庫
行届いた小取まわしで、大びけすぎの小酒もり。
— 泉鏡花 『鷭狩』 青空文庫
その実は昨夜の酒を持越しのため、四時びけの処を待兼ねて、ちと早めに出た処、いささか懐中に心得あり。
— 泉鏡花 『妖術』 青空文庫
八畳一杯|赫と陽気で、ちょうどその時分に、中びけの鉄棒が、近くから遠くへ、次第に幽かになって廻ったが、その音の身に染みたは、浦里時代の事であろう。
— 泉鏡花 『吉原新話』 青空文庫
博士 ――また冷返る夕嵐、雪の松原、この世から、かかる苦患におう亡日、島田乱れてはらはらはら、顔にはいつもはんげしょう、縛られし手の冷たさは、我身一つの寒の入、涙ぞ指の爪とりよし、袖に氷を結びけり。
— 泉鏡花 『海神別荘』 青空文庫
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