立つ瀬がない
たつせがない
表現形容詞
標準
being left in an awkward position
文例 · 用例
」「何も申しませんから、何卒そう被仰らずにお返しを願います、それでないと私の立つ瀬がないのですから……」と言わせも果てず母は火鉢を横に膝を進めて、「怪しからんことを言うよ、それでは私が今日お前の所から何か持ってでも帰ったと言うのだね、聞き捨てになりませんぞ」と声を高めて乗掛る。
— 国木田独歩 『酒中日記』 青空文庫
……君から憎まれたら僕は本当に立つ瀬がないんだ……と彼は私をかき口説くのでした。
— 渡辺温 『遺書に就て』 青空文庫
「そんなに云っておくれだと、なお私は立つ瀬がない。
— 泉鏡花 『照葉狂言』 青空文庫
やっと、人間として生活し始め、独特な作品も出ようと云う時、又、再び、貧しき人々の群を書いた頃の、従順を期待されては、全く、一箇の芸術家として、立つ瀬がないではないか。
— 宮本百合子 『二つの家を繋ぐ回想』 青空文庫
僕の身に立つ瀬がないのですから」斯うした意味のことを疊みかけ疊みかけ書かうとした。
— 嘉村礒多 『業苦』 青空文庫
まあ、ほんとうに、お察し下さい、こんな、躯のうちでも一番に目立つところを無くしては立つ瀬がないじゃありませんか!
— ニコライ・ゴーゴリ 『鼻』 青空文庫
一、二枚のものを書いても林芙美子だし、かりそめに、ゴシップに林芙美子の名前が出ていても、それをいっしょくたにしてあれこれ云われるのでは立つ瀬がないから、「どうぞ雑誌社や新聞社で、私が稿料をいったいいくら貰っているかきいてみて下さい」と云うより仕方がない。
— 林芙美子 『生活』 青空文庫
お前の家にとって千円位の金がなんとかならんわけでもあるまいし、おっつけ孫の顔を見ようというどたんばになって、親同志の張り合いじゃあ、仲人になったこの俺も立つ瀬がないというもんだして……」「わしもそう思うです。
— 矢田津世子 『凍雲』 青空文庫
作例 · 標準
「君にそんな正論を言われてしまうと、上司の私は立つ瀬がないよ」
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自分のミスを後輩がフォローしてくれたのはありがたいが、正直立つ瀬がない。
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完璧な準備をしていたのに土壇場で中止になり、関係者の立つ瀬がない状態だ。
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