義理が悪い
ぎりがわるい
表現形容詞
標準
failing in one's duty (e.g. to someone)
文例 · 用例
表面上別れているとはいえ、二人がいつまでもこんな風に会うていては、貴方の御兄弟にも義理が悪い。
— 織田作之助 『俗臭』 青空文庫
おまけに階下が呉服の担ぎ屋とあってみれば、たとえ銘仙の一枚でも買ってやらねば義理が悪いのだが、我慢してひたすら貯金に努めた。
— 織田作之助 『夫婦善哉』 青空文庫
誰それの展覧会を、今開催してゐるから行つて見ようなどといふ場合は、まつたくの有閑人か、招待状を貰つて出かけなければ義理が悪いか、批評家とか、職業的に美術に関係してゐる人とか、展覧会を見るといふ自発性は多忙な都会生活者にとつては全くないといつてもよい。
— 美術論・画論 『小熊秀雄全集−19−』 青空文庫
あの女には義理が悪いようですけれども、私のような者はこうして何もかもすっかり白状してしまった方が、胸が軽くなって却って好うございますよ」「じゃあ気の毒だが、すぐに神田の親分の所まで一緒に来てくれ。
— 石燈籠 『半七捕物帳』 青空文庫
「どうかして都合してやらないと、わたしも義理が悪いし、お光も居づらいだろうと思っているのだが、どうもその十両の工面ができないので困っている」 顔を陰らせて八橋も聴いていたが、金の話になって彼女は案外にたやすく受け合った。
— 岡本綺堂 『籠釣瓶』 青空文庫
栄之丞は少し迷惑したが、その手紙を握り潰してしまうのも妹に対してなんだか義理が悪いように思われるので、さらに二、三日経ってから吉原へ届けに行った。
— 岡本綺堂 『籠釣瓶』 青空文庫
お絹に金を借りるのはどうしても義理が悪いように思われた。
— 岡本綺堂 『両国の秋』 青空文庫
こう言うと、冬坡ははなはだふしだらのようにも聞えますが、何分にもああいう気の弱い男ですから、女の方から眼の色を変えて強く迫って来られると、それを払いのけるだけの勇気がないので、どっちにも義理が悪いと思いながら、両方の女にひきずられて、まあずるずるにその日その日を送っていたという訳です。
— 岡本綺堂 『鴛鴦鏡』 青空文庫