薙髪
ちはつ
名詞
標準
文例 · 用例
世事測る可からずと雖も、薙髪して宮を脱し、堕涙して舟に上るの時、いずくんぞ茅店の茶後に深仇の冥土に入るを談ずるの今日あるを思わんや。
— 幸田露伴 『運命』 青空文庫
文晁、本文朝に作る、通称は文五郎、薙髪して文阿弥といった。
— 森鴎外 『渋江抽斎』 青空文庫
後に薙髪して宗伊と云つた人である。
— 森鴎外 『椙原品』 青空文庫
此間に品が四十五歳の時、綱宗が薙髪し、品が四十八歳の時、初子が歿した。
— 森鴎外 『椙原品』 青空文庫
霊蘭は薙髪して医を業としてゐたが、万治元年に京都に徙り、伊勢大神宮に詣でて髪を束ねた。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
平八郎の妾ゆう薙髪す。
— 森鴎外 『大塩平八郎』 青空文庫
寛永元年五月|安南船長崎に到着候時、三斎公は御薙髪遊ばされ候てより三年目なりしが、御茶事に御用いなされ候珍らしき品買い求め候様|仰含められ、相役横田清兵衛と両人にて、長崎へ出向き候。
— 森鴎外 『興津弥五右衛門の遺書』 青空文庫
寛永元年五月|安南船長崎に到着候節、当時松向寺殿は御薙髪遊ばされ候てより三年目なりしが、御|茶事に御用いなされ候珍らしき品買求め候様|仰含められ、相役と両人にて、長崎へ出向き候。
— 森鴎外 『興津弥五右衛門の遺書(初稿)』 青空文庫