魃
魃
名詞
標準
文例 · 用例
ことに湖水の流れるところでありますから、旱魃ということを感じたことはございません。
— 内村鑑三 『後世への最大遺物』 青空文庫
十二節に「これその青くしていまだ苅らざる時にも他の一切の草よりは早く枯る」とあるは、旱魃来りて水退くやこの二つの草が忽ち枯るることをいうたのである。
— 内村鑑三 『ヨブ記講演』 青空文庫
しかして十三節に「神を忘るる者の道はすべてかくの如く、悖る者の望は空しくなる」とありて、神を忘れ道に悖る者は旱魃時のこの二つの草の如く、その繁栄一朝にして消え失すとの意を述べている。
— 内村鑑三 『ヨブ記講演』 青空文庫
こんど、どこか旱魃の土地の噂でも聞いた時には、私はこの着物を着てその土地に出掛け、ぶらぶら矢鱈に歩き廻って見ようと思っている。
— 太宰治 『服装に就いて』 青空文庫
昨年、私たちの地方では、水なしには育たない稲ばかりでなく、畑の作物も──どんな飢饉の年にも旱魃にもこれだけは大丈夫と云われる青木昆陽の甘藷までがほとんど駄目だった。
— 黒島傳治 『外米と農民』 青空文庫
こんなのは、昨年の旱魃にいためつけられた地方だけかと思っていたら、食糧の供給を常に農村に仰がなければならない都会では、もっとすさまじいらしい。
— 黒島傳治 『外米と農民』 青空文庫
旱魃を免れた県には、米穀県外移出禁止というような城壁が築かれてはいるが、表門は閉っていても、裏のくゞり戸があいているので、四斗俵ならぬ三斗五升いりの袋ならその門を通過させてもらえるのだと笑っていた。
— 黒島傳治 『外米と農民』 青空文庫
……もっての外の旱魃なれば、思うたより道中難儀じゃ。
— 泉鏡花 『夜叉ヶ池』 青空文庫