嘲笑う
あざけわらう
動詞
標準
文例 · 用例
ただの河、ただの水の流れになって、私の希望を嘲笑うであろう。
— 岡本かの子 『河明り』 青空文庫
私は鉛のような憂鬱に閉されて、湯玉で蒟蒻の切れの躍るのが、土鍋の中から嘲笑うように感じられるので、吹き上げるのも構わず、蓋でぐっと圧えていました。
— 岡本かの子 『扉の彼方へ』 青空文庫
神職 (嘲笑う)はてな、風に釘を打てば何になる、はてな。
— 泉鏡花 『多神教』 青空文庫
「まるで嘲笑うようでしたな、帰りがけに、またあの梟めが、まだ鳴いています――爺い……老爺らしゅうございましたぜ。
— 遺稿 『遺稿』 青空文庫
」 さぞかし驚くだろうと思われたのに、番五郎の方でも用意の献立てが出来ていたと見えて、にったりと嘲笑うと、不意に奥の座敷へ対って呼び立てました。
— 江戸に帰った退屈男 『旗本退屈男 第九話』 青空文庫
小侍たち六人が飛び出して来たその鶉席に傲然と陣取って、嘲笑うようにこちらを見眺めていた顔こそは、小芳がまだ曲輪にいた頃、梅甫とたびたび張り合った腰本治右衛門なのです。
— 千代田城へ乗り込んだ退屈男 『旗本退屈男 第十一話』 青空文庫
尻軽娘はカインの輩の中に鎖じ込められ、猶太人は難問の中にて嘲笑う。
— 小栗虫太郎 『黒死館殺人事件』 青空文庫
それは、かつて人体の一部であったのを、嘲笑うかのように、それらしい線や塊はどこにも見られなかった。
— 小栗虫太郎 『黒死館殺人事件』 青空文庫