木蓮
きはちす異読 キハチス
名詞
標準
rose of Sharon (Hibiscus syriacus)
文例 · 用例
四月も末近く、紫木蓮の花弁の居住いが何となくだらしがなくなると同時にはじめ目立たなかった青葉の方が次第に威勢がよくなって来るとその隣の赤椿の朝々の落花の数が多くなり、蘇枋の花房の枝の先に若葉がちょぼちょぼと散点して見え出す。
— 寺田寅彦 『五月の唯物観』 青空文庫
すると木蓮によく似た架空的な匂いまでわかるような気がするんです」「あなたはいつでもそうね。
— 梶井基次郎 『闇の書』 青空文庫
翌朝見ると、山吹の垣の後ろは桑畑で、中に木蓮が二、三株美しく咲いていた。
— 寺田寅彦 『嵐』 青空文庫
ただひとり世をば讚へし子が門に榮えよ、さかえよ花緋木蓮。
— 萩原朔太郎 『短歌』 青空文庫
市の町々から、やがて、木蓮が散るように、幾人となく女が舞込む。
— 泉鏡花 『茸の舞姫』 青空文庫
銀鞍の少年、玉駕の佳姫、ともに恍惚として陽の闌なる時、陽炎の帳靜なる裡に、木蓮の花一つ一つ皆乳房の如き戀を含む。
— 泉鏡花 『月令十二態』 青空文庫
と彼のたよりのない土器色の月は、ぶらりと下つて、仏の頬を片々照らして、木蓮の花を手向けたやうな影が射した。
— 泉鏡太郎 『神鑿』 青空文庫
或る墓標の傍には、大株の木蓮が白い律義な花を盛り上げていた。
— 岡本かの子 『かの女の朝』 青空文庫
作例 · 標準
夏の日差しが降り注ぐ中、木蓮の花が次々と咲き、庭を涼しげに彩っていた。
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茶室の庭に咲く一輪の木蓮は、控えめながらも確かな存在感を放っていた。
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登校中、通学路の垣根に咲く木蓮の薄紫色の花が、毎日の楽しみだったな。
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この木蓮は、毎年お盆の時期に花を咲かせるから、亡くなった祖母を思い出すんだ。
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