恥曝し
はじさらし
名詞
標準
文例 · 用例
自分もその海水浴のときに「玉ラムネ」という生れて始めてのものを飲んで新しい感覚の世界を経験したのはよかったが、井戸端の水甕に冷やしてあるラムネを取りに行って宵闇の板流しに足をすべらし泥溝に片脚を踏込んだという恥曝しの記憶がある。
— 寺田寅彦 『海水浴』 青空文庫
それが可恐いから廃めると謂ふのぢやありません、正い事で争つて殞す命ならば、決して辞することは無いけれど、金銭づくの事で怨を受けて、それ故に無法な目に遭ふのは、如何にも恥曝しではないですか。
— 尾崎紅葉 『金色夜叉』 青空文庫
これあ潜水艇じゃねえやい……何という恥曝しだ。
— 夢野久作 『山羊髯編輯長』 青空文庫
例により僕は自分の恥曝しの経験を述べて参考に供したい。
— 新渡戸稲造 『自警録』 青空文庫
話の順序として自己の恥曝しから始めたい。
— 新渡戸稲造 『自警録』 青空文庫
いきなり踏み込んでいってもし本当に不在ででもあったら、いい恥曝しだった。
— 豊島与志雄 『神棚』 青空文庫
誰とでも御交際の出来る立派な方なのに女中の跡なんぞに附いて行って、まあ、なんと云う恥曝しな事でしょう。
— FAUST. EINE TRAGODIE 『ファウスト』 青空文庫
「でも、見当位はつくだろうと思うが」「――」「お嬢さんの手紙と思い込まなきゃ、二本差の立派な若侍が、犬潜りから這い込むような、恥曝しなことはしなかったでしょう」 平次は件の手紙を畳の上に置いて、なおも詰め寄るのでした。
— 恋患い 『銭形平次捕物控』 青空文庫