諸処
しょしょ
名詞
標準
文例 · 用例
諸処から取集めた百有余円を、馴染の会席へ支払いの用があって、夜、モオニングを着て、さて電燈の明い電車に乗った。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
以上は、私が人名辞典やら、「葛原勾当日記」の諸家の序やら跋やら、または編者の筆になるところの年譜、逸話集、写真説明の文など、諸処方々から少しずつ無断盗用して、あやうく、纏めた故葛原勾当の極めて大ざっぱな略伝である。
— 太宰治 『盲人独笑』 青空文庫
彼女はその客情人の若旦那や取巻き芸者と共にわたしをも引具して諸処で友だち芸妓の開いているお座敷へ遊びの他流試合に行く。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
天狗の麦飯だの、餓鬼の麦飯だのといって、この山のみではない諸処にある。
— 幸田露伴 『魔法修行者』 青空文庫
こうした油断のならない一揆の群が何処にひそんで居るかわからないのだから、軍陣に慣れて居る藩士達も徒らに奔命に疲れるばかりでなく、諸処に討死をする。
— 菊池寛 『島原の乱』 青空文庫
|剰放火三千余町焼失」(『大乗院寺社雑事記』) 加るに鎮圧に赴いた将士の部下が、却って一揆に参加して諸処に強奪を働いたと云う。
— 菊池寛 『応仁の乱』 青空文庫
惟うに老猴よく人の不浄を嗅ぎ分くる奴を撰び教えて帯刀させ、神前へ不浄のまま出る奴原を追い恥かしめた旧慣が本邦諸処にあったから、猴をイソノタチハキというたので、イソは神祠の前を指す古名だろう。
— 猴に関する伝説 『十二支考』 青空文庫
漁師の子これを知って諸処逃げ廻りついに一老姉にかくまわる。
— 犬に関する伝説 『十二支考』 青空文庫