義捐金
ぎえんきん
名詞
標準
文例 · 用例
可憐な都会の小学児童まで動員してこの木枯しの街頭にボール箱を頸にかけての義捐金募集も悪くはないであろうが、文化的国民の同胞愛の表現はもう少し質実にもう少しこくのあるものであってもよいと思われる。
— 寺田寅彦 『新春偶語』 青空文庫
かの新聞で披露する、諸種の義捐金や、建札の表に掲示する寄附金の署名が写実である時に、これは理想であるといっても可かろう。
— 泉鏡花 『春昼』 青空文庫
せんだって東北凶作の義捐金を二円とか三円とか出してから、逢う人|毎に義捐をとられた、とられたと吹聴しているくらいである。
— 夏目漱石 『吾輩は猫である』 青空文庫
で早速、彼のために義捐金を集めることに話がきまった。
— ニコライ・ゴーゴリ 『外套』 青空文庫
以前の教え子で、始終この教師から、やれ従順でないの、態度が傲慢不遜だのと言われていた、謂ゆる利口な生徒や頓智のきく学生が、この旧師の気の毒な境遇を知ると、中にはいろんな必要な持物まで売り払って、さっそく彼のために義捐金を集めた。
— または チチコフの遍歴 第一部 第二分冊 『死せる魂』 青空文庫
死金にもなり、悪銭にもなり、義捐金にもなれば、自殺の旅費にもなるのである。
— 宮本百合子 『「大人の文学」論の現実性』 青空文庫
その翌々日の午後、義捐金の一部をさいてあがなった、四百余の猿股を罹災民諸君に寄贈することになった。
— 芥川龍之介 『水の三日』 青空文庫
罹災民諸君が何日ぶりかで、諸君の家へ帰られる日の午前に、僕たちは、僕たちの集めた義捐金の残額を投じて、諸君のために福引を行うことにした。
— 芥川龍之介 『水の三日』 青空文庫