豆蔵
まめぞう
名詞
標準
loquacious man
文例 · 用例
奥山の豆蔵だって、これだけしゃべれば五十や六十の銭はかせげるのだ。
— 岡本綺堂 『勘平の死』 青空文庫
弁舌は縦横無尽、大道に出る豆蔵の塁を摩して雄を争うも可なりという程では有るが、竪板の水の流を堰かねて折節は覚えず法螺を吹く事もある。
— 二葉亭四迷 『浮雲』 青空文庫
どなたの御目にも私は、豆蔵みたいにうつって居る事でござんしょうねえ。
— 宮本百合子 『たより』 青空文庫
そのころの職人仕事で特に秀れておるのは、伊豆蔵人形とか嵯峨人形とかで、嵯峨人形にはものすごいものがあります。
— 北大路魯山人 『私の作陶体験は先人をかく観る』 青空文庫
勘解由小路中納言|経房、検非違使別当左衛門督実家、高倉宰相中将|泰通、権右中弁|兼忠、榎並中将|公時、但馬少将|教能といった人々で、武士では、伊豆蔵人大夫|頼兼、石川判官代能兼、左衛門尉有綱などであった。
— 第十一巻 『現代語訳 平家物語』 青空文庫
「解っているじゃありませんか、堺町の中村座に、吉原の繁昌――」「そんなものじゃない」「豆蔵の人寄せに言う――うんすんカルタに繻子の帯、ビードロ細工に人さらい――などはどんなもので」「それだよ、八」「ヘエ――」「うんすんカルタじゃいけない、オランダカルタがあったら、一と組欲しいな。
— 和蘭カルタ 『銭形平次捕物控』 青空文庫
居合抜き、豆蔵の芸当、一寸法師の手踊り、と野天芸人をいちいち立って見た上、今度は足芸と河童、ろくろ首に大蛇の塩漬、といった小屋掛の見世物を覗いて、一刻(二時間)ばかり後には、鳥娘の絵看板の前に、持前の長い顔を一倍長くして見とれておりました。
— 濡れた千両箱 『銭形平次捕物控』 青空文庫
それにもあまり興が乗らず、去って豆蔵を覗いたり、奥山の楊弓を素通りしたりしているうちに、日が全く暮れて、兵馬は約束の五重塔の下へ来てみると、「宇津木様、お待ち申しておりました」 その声を聞くと兵馬は、飛び出つ思いです。
— 無明の巻 『大菩薩峠』 青空文庫