母妻
ぼさい
名詞
標準
文例 · 用例
我の貧我独り忍ぶを得ん、しかれども我に衣食する我の母我の妻も我が貧なるが故に貧を感ぜり、我は我と境遇を同うせる古人の伝を読み以て我が貧を慰め得るとも、彼らは如何にしてこの鬱を散ずるを得んや、貧より来る苦痛の中に我父母妻子の貧困を見るこれ悲歎の第二とす。
— 内村鑑三 『基督信徒のなぐさめ』 青空文庫
けれどもが、われわれ父母妻子をうつちやつて、御国のために尽さうといふ愛国の志士が承知せん。
— 泉鏡花 『海城発電』 青空文庫
けれどもが、吾々父母妻子をうっちゃって、御国のために尽そうという愛国の志士が承知せん。
— 泉鏡花 『海城発電』 青空文庫
母妻子を族滅された怨みは骨髄に徹しているものの、自ら兵を率いて漢と戦うことができないのは、先ごろの経験で明らかである。
— 中島敦 『李陵』 青空文庫
過去帖は錦橋の父母妻子の齢を具に載せながら、独り錦橋の齢を載せない。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
九人のものはこの時一旦|遺書遺髪を送って遣った父母妻子に、久し振の面会をした。
— 森鴎外 『堺事件』 青空文庫
國民ノ義務ニセヨ、父母妻子ノ負擔アル男子ヨリ其ノ勞働ヲ奪ヒテ何等ノ賠償ヲナサザルコトハ國家ノ權利ヲ濫用スル者ナリ。
— 北一輝 『日本改造法案大綱』 青空文庫
陳れば、昨冬以来だんだん御懇情なし下されし娘粂儀、南殿村稲葉氏へ縁談御約諾申し上げ置き候ところ、図らずも心得違いにて去月五日土蔵二階にて自刃に及び、母妻ら早速見つけて押しとどめ、親類うち寄り種々申し諭し、医療を加え候ところ、四、五日は飲食も喉に下りかねよほどの難治に相見え申し候。
— 第二部下 『夜明け前』 青空文庫