狎
狎
名詞
標準
文例 · 用例
僕は人の好意にさえ狎れてしまっている。
— 太宰治 『パンドラの匣』 青空文庫
八十八夜を記念しようといふ、なんの意味もない決心を笑ひながら固めて、二人、淺草へ呑みに出かけることになつたのであるが、その夜、私はいつそく飛びに馬場へ離れがたない親狎の念を抱くにいたつた。
— 太宰治 『ダス・ゲマイネ』 青空文庫
ひょっとしたら、私の郷里の近くから来た生徒かも知れぬ、と私はいよいよこの歌の大天才に対して親狎の情を抱き、「いや、僕こそ、しつれいしました。
— 太宰治 『惜別』 青空文庫
御好意に狎れて、言いたい放題の事を言いました。
— 太宰治 『風の便り』 青空文庫
一つには私たちの同人雑誌『春服』が、目茶苦茶になりかかった、わびしさから、二つには、ぼく自身のステールネスから、最後に、あなたがぼく如きものに好意をお持ち下され居る由、昨晩の松村と云う『春服』同人の手紙が伝えてくれたので、加うるに性来の図々しさを以て、御迷惑を省みず、狎書を差し上げる次第です。
— 太宰治 『虚構の春』 青空文庫
八十八夜を記念しようという、なんの意味もない決心を笑いながら固めて、二人、浅草へ呑みに出かけることになったのであるが、その夜、私はいっそく飛びに馬場へ離れがたない親狎の念を抱くにいたった。
— 太宰治 『ダス・ゲマイネ』 青空文庫
二人とも馴れても決して狎れぬ程度の親しみがさすが名門の育ちを見せて奥床しい。
— 岡本かの子 『雜煮』 青空文庫
但し呉々も妻は己の職業に慢心して大切にして貰う夫に狎れ、かりにも威張ったり増長せぬこと。
— 岡本かの子 『良人教育十四種』 青空文庫