眺入
眺入
名詞
標準
文例 · 用例
お島はその前に立って、いびつなりに映る自分の顔に眺入っていた。
— 徳田秋声 『あらくれ』 青空文庫
静緒は女ながらも見惚れて、不束に眺入りつ。
— 尾崎紅葉 『金色夜叉』 青空文庫
直行は又その辛し、恨し、悲しとやうの情に堪へざらんとする満枝が顔をば、窃に金壺眼の一角を溶しつつ眺入るにぞありける。
— 尾崎紅葉 『金色夜叉』 青空文庫
まして、秋の初の清く澄みたる空氣は明かに、山々の巓に白旗を飜したらんごとき雲の長くおもしろく靡けるなど誰かつく/″\と眺入りて、秋の姿のさびしさに旅思を惱まさぬものかあらん。
— 田山花袋 『秋の岐蘇路』 青空文庫
アハハハハハハ」 奥様がそれを引寄せて、御畳みなさるところを、御客様は銜煙管で眺入って、もとの御包に御納いなさるまで、熟と視ていらっしゃいました。
— 島崎藤村 『旧主人』 青空文庫
殿下は御仮屋の紫の幕のかげに立たせられ、熱心に眺入らせ給うのでした。
— 島崎藤村 『藁草履』 青空文庫
隆治も、妻のそばへ腰を下して、ぢつと死顔に眺入つた。
— 佐佐木茂索 『ある死、次の死』 青空文庫