空中楼閣
くうちゅうろうかく
名詞
標準
castle in the air
文例 · 用例
もしこれが可能とすれば、洋上に浮き観測所の設置ということもあながち学究の描き出した空中楼閣だとばかりは言われないであろう。
— 寺田寅彦 『天災と国防』 青空文庫
空中楼閣は、もう、いやだ。
— 太宰治 『春の盗賊』 青空文庫
私はこれまでに随分長く、又随分多くさうした若い鍛練せざる心の躓いたり、倒れたり、裏切られたり、空中楼閣のやうに土崩瓦解して行くのを見た。
— 田山録弥 『エンジンの響』 青空文庫
そんな事をしてる中に、お前は段々私から離れて行って、実質のない幻影に捕えられ、そこに、奇怪な空中楼閣を描き出すようになる。
— 有島武郎 『惜みなく愛は奪う』 青空文庫
本能を現実のきびしさに於て受取らないで、ロマンティックに考えるところに、純霊の世界という空虚な空中楼閣が築き上げられる。
— 有島武郎 『惜みなく愛は奪う』 青空文庫
そしてさういふものは忽ち空中楼閣のやうに崩壊して了ふものであるといふことについては少しも思ひを致してない。
— 田山録弥 『静かな日』 青空文庫
僕には、あのA子の部屋のみが、輝ける空中楼閣であつて、「地上」で見出すA子の姿などには、何んな魅力も感じてゐない自分を知つた。
— 牧野信一 『風媒結婚』 青空文庫
――私は図書館の円天井の下での十六世紀の空中楼閣に、ありのままに迷ひ込んでしまつた。
— 牧野信一 『変装綺譚』 青空文庫