額風呂
がくぶろ
名詞
標準
文例 · 用例
やっとそこらの額風呂の戸があいて、紅がらいろや浅黄のれんの下に、二三足の女下駄が行儀よくそろえられ、盛塩のしたぬれ石に、和らかい春の陽が射しかける午少し前の刻限になると、丁字風呂の裏門からすっと中に消え込む十八九の色子がある。
— 直木三十五 『大衆文芸作法』 青空文庫
この額風呂の庭には植込もかなり多いので、離れの一棟も母屋からは見透されません。
— 直木三十五 『大衆文芸作法』 青空文庫
へへへへへ、つい酔っているもんですから、飛んだ失礼をしてごめんなすっておくんなさい」 無論、額風呂の客にはちがいありますまいが、作り笑いをした眼元に一癖のある町人が、ヒョコヒョコ頭を下げながらぷいと縁先から姿をかくしました。
— 直木三十五 『大衆文芸作法』 青空文庫
やっとそこらの額風呂の戸があいて、紅殻いろや浅黄のれんの下に、二、三足の女下駄が行儀よくそろえられ、盛塩のしたぬれ石に、和らかい春の陽が射しかける午少し前の刻限になると、丁字風呂の裏門から、すっと中に消え込む十八、九の色子がある。
— 吉川英治 『江戸三国志』 青空文庫
この額風呂の庭には、植込みもかなり多いので、離れの一棟も母屋からは見透されません。
— 吉川英治 『江戸三国志』 青空文庫
へへへへ、つい酔っているもんですから、飛んだ失礼をして、ごめんなすっておくんなさい」 無論、額風呂の客にはちがいありますまいが、作り笑いをした眼元に一癖のある町人が、ヒョコヒョコ頭を下げながら、ぷいと縁先から姿をかくしました。
— 吉川英治 『江戸三国志』 青空文庫
「ね、行きますよ、白梅亭へ」「同じ額風呂でも、あそこならば人眼が少ない。
— 吉川英治 『江戸三国志』 青空文庫
率八の家の納屋から、二人して、大川へ舟で逃げてから数日の間――江戸の額風呂や旅籠を転々として、あぶない逢う瀬をつづけて来ましたが、まだ二人の恋は、あの納屋で囁いたことば以上には、一歩もすすんでおりません。
— 吉川英治 『江戸三国志』 青空文庫