髪飾
かみかざり
名詞
標準
文例 · 用例
近頃静岡の流行は、衣裳も髪飾もこの夫人と、もう一人、――土地随一の豪家で、安部川の橋の袂に、大巌山の峰を蔽う、千歳の柳とともに、鶴屋と聞えた財産家が、去年東京のさる華族から娶り得たと云う――新夫人の二人が、二つ巴の、巴川に渦を巻いて、お濠の水の溢るる勢。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
いずれが真珠、いずれが豚、つくづく主客てんとうして、今は、やけくそ、お嫁入り当時の髪飾り、かの白痴にちかき情人の写真しのばせ在りしロケットさえも、バンドの金具のはて迄。
— 太宰治 『創生記』 青空文庫
徳川、天保の改革に幕府から厳しい奢侈禁止令が出て女の髪飾りにもいわゆる金銀玳瑁はご法度であった。
— 岡本かの子 『娘』 青空文庫
また昔の日本の女になくてかなわなかった髪飾りや帯などは外国の女には無用の長物である。
— 寺田寅彦 『一つの思考実験』 青空文庫
されば、髪飾、絹の彩、色ある姿はその折から、風呂の口に吸い込まれて、裳は湯気に呑まるるのである。
— 泉鏡花 『わか紫』 青空文庫
オパールの髪飾りか。
— THE ADVENTURE OF THE SPECKLED BAND 『まだらのひも』 青空文庫
それからやはり岩屋の前へ、あきだるを伏せて、天宇受女命という女神に、天香具山のかつらのつるをたすきにかけさせ、かつらの葉を髪飾りにさせて、そのおけの上へあがって踊りを踊らせました。
— 鈴木三重吉 『古事記物語』 青空文庫
しかしただ言葉だけでご返事を申しあげたのでは失礼だとお考えになって、天皇へお礼のお印に、押木の玉かずらというりっぱな髪飾りを、若日下王から献上品としておことづけになりました。
— 鈴木三重吉 『古事記物語』 青空文庫