懣
懣
名詞
標準
文例 · 用例
労働力を売って生活するこの青年も、今その売ろうとする労働力が、大きな障害を与えられたことについては、どこかはっきりしない憤懣を心の底に感ずるのであった。
— 葉山嘉樹 『海に生くる人々』 青空文庫
藤原はそのあらゆる激怒と、憤懣とを、船長の前で、そのしっかり踏んだ足の下に踏みつけて立っていた。
— 葉山嘉樹 『海に生くる人々』 青空文庫
この紙っきれに、あの情熱と憤懣とが織り込まれてあったのだ!
— 葉山嘉樹 『海に生くる人々』 青空文庫
何故六章においてその友の推定に対して激しき憤懣を放ったのか。
— 内村鑑三 『ヨブ記講演』 青空文庫
彼のこの憤懣こそまことに愚なるものではあるまいか?
— 内村鑑三 『ヨブ記講演』 青空文庫
自分の少年の頃の無智に対する腹立たしさでもあり、また支那の現状に対する大きい忿懣でもある。
— 太宰治 『惜別』 青空文庫
この惨めな現状に対する忿懣から、自分は魂を毛唐に一時ゆだねて進んで洋学に志したのだ。
— 太宰治 『惜別』 青空文庫
」私は、誰にとも無き忿懣で、口を曲げてののしつた。
— 太宰治 『津軽』 青空文庫