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瞰下

瞰下
名詞
1
標準
文例 · 用例
白雲の大湖水を瞰下してこの山菊を折る。
伊藤左千夫 白菊 青空文庫
顧れば峡間から東方の霞沢岳連峰の木山には、どす玄い雨雲が、甘藍の大葉を巻いたように冠ぶさって、その尖端が常念一帯の脈まで、包んで来ている、雪の峡流は碧い石や黄な石をひたして、水嵩も多くなって、樺青く雪白い間を走って行くのが、遙かに瞰下されて、先は森林の底に没している。
小島烏水 槍ヶ岳第三回登山 青空文庫
これらの山々から瞰下されて、乾き切っている桔梗ヶ原一帯は、黒水晶の葡萄がみのる野というよりも、橇でも挽かせて、砂と埃と灰の上を、駈けずって見たくなった。
小島烏水 谷より峰へ峰より谷へ 青空文庫
一同は杖に倚って、水涸れの富士川を瞰下しながら、しばらく息を吐く。
小島烏水 雪中富士登山記 青空文庫
足許を瞰下すと、火口壁の周辺からは、蝋燭の融けてまた凝ったような氷柱が、組紐の如く、何本となく、尖端を鋭くして、舌のように垂れている、火口底は割合に、雪が多くない。
小島烏水 雪中富士登山記 青空文庫
」「お喧しゅう……」 魯智深は、ずかずかと座を起って、のそりと欄干に腹を持たせて、幕を透かして通を瞰下し、「やあ、鮮麗なり、おらが姉さん三人ござる。
泉鏡花 吉原新話 青空文庫
薄暗い処へ朦朧と胸高な扱帯か何かで、寂しそうに露れたのが、しょんぼりと空から瞰下ろしているらしい。
泉鏡花 吉原新話 青空文庫
直きその谷間の村あたりで、騒いでいるように、トントンと山腹へ響いたと申すのでありますから、ちょっと裏山へ廻りさえすれば、足許に瞰下ろされますような勘定であったので。
泉鏡花 春昼 青空文庫