木のみ
きのみ
名詞
標準
文例 · 用例
」弧光燈にめくるめき、 羽虫の群のあつまりつ、川と銀行木のみどり、 まちはしづかにたそがるゝ。
— 宮沢賢治 『文語詩稿 一百篇』 青空文庫
されど路傍なる梅の老木のみはますます栄えて年々、花咲き、うまき実を結べば、道ゆく旅客らはちぎりて食い、その渇きし喉をうるおしけり。
— 国木田独歩 『詩想』 青空文庫
樺の木の葉はいちじるしく光沢は褪めていてもさすがになお青かッた、がただそちこちに立つ稚木のみはすべて赤くも黄ろくも色づいて、おりおり日の光りが今ま雨に濡れたばかりの細枝の繁味を漏れて滑りながらに脱けてくるのをあびては、キラキラときらめいていた。
— イワン・ツルゲーネフ Ivan Turgenev 『あいびき』 青空文庫
向ひ山、こなたの小丘、見るものはみな枯木のみ。
— 北原白秋 『観相の秋』 青空文庫
八、枕木に適する徑一尺以上の立木のみ撰伐する事も、今日の處何等制限なし。
— 斷橋 『泡鳴五部作』 青空文庫
その木の皮を石でたたきつぶすと、いいにおいがしたので、おとなたちが、昼ねをしている昼さがりなど、三人で、まるできつつきのように、木のみきをコツコツとたたいていたりしました。
— 新美南吉 『いぼ』 青空文庫
大和の三輪明神始め熊野辺に、古来老樹大木のみありて社殿なき古社多かりし。
— 南方熊楠 『神社合祀に関する意見』 青空文庫
斯うして旅に関して筆を執っていると早やもう心のなかには其処等の山川草木のみずみずしい姿がはっきりと影を投げて来ているのである。
— 若山牧水 『みなかみ紀行』 青空文庫