緯糸
よこいと
名詞
標準
文例 · 用例
唯、まる/\の夢語りの国土は、勿論の事であるが、現実の国であつても、空想の緯糸の織り交ぜてある場合には、異国・異郷の名で、喚んでさし支へがないのである。
— 異郷意識の起伏 『妣が国へ・常世へ』 青空文庫
あの物語の緯糸になつてゐる若い男女の恋のいきさつなどは、愚かな戯れとしか見なかつた。
— 神西清 『母たち』 青空文庫
呉絽というのは経糸に羊の梳毛をつかい、緯糸に駱駝の毛をつかう。
— 都鳥 『顎十郎捕物帳』 青空文庫
その経糸に十六世紀ロンドンの汚物、野蛮性を習性として持ち、その緯糸に「タンバアレン」の光彩や「ヴィナスとアドニス」の技巧に熱狂的な愛着を持つ、そういう頭脳の織物というものは、いったいどんな種類のものだったであろう。
— ELIZABETH AND ESSEX 『エリザベスとエセックス』 青空文庫
今日も亦|緯糸をたぐりしと叱りし。
— 根岸正吉 『須賀爺』 青空文庫
布幅四方に緯糸もこれに随ふて併ざれば地をなさず。
— 鈴木牧之編撰 『北越雪譜』 青空文庫
後でよく分ったが、之は丹波国佐治地方で出来る木綿もので、土地では「縞貫」と呼ばれ、緯糸に染めない白の玉糸を、所々に入れるのが特色である。
— 柳宗悦 『京都の朝市』 青空文庫