減す
へす
動詞
標準
文例 · 用例
そしてこの現実的印象としての瞬間が、恒久的実在の「古池」の中に消減することによつて、芭蕉の観念する「無」の静寂観が表現されるのである。
— 萩原朔太郎 『詩の翻訳について』 青空文庫
而も名辞以前の「面白いから面白い」境のことは、その面白さを人は人為的に増減することは困難だから茲に宿命性が在ると云へる。
— 中原中也 『芸術論覚え書』 青空文庫
颱風の災害を軽減するにはこれに関する国民一般の知識の程度を高めることが必要であると思われるが、現在のところではこの知識の平均水準は極めて低いようである。
— 寺田寅彦 『颱風雑俎』 青空文庫
しかるにセレニウムの奇妙な性質として、その電気抵抗はこれを照らす光の強弱に応じてあるいは減じあるいは増すので、目的地に通ずる電流もまたこれに応じて増減するのである。
— 寺田寅彦 『写真電送の新法』 青空文庫
そういうことの必要を思わぬこともないが、しかし窮屈な姿勢で読んだり、抜き書きしたりしておれば、読書のたのしみも半減するだろうと思われるのだ。
— 織田作之助 『僕の読書法』 青空文庫
線が全然切れてしまわず、片一方外れているだけで、加減すると、巧く、外れた場所にヒッツクのである。
— 織田作之助 『俗臭』 青空文庫
フィルムの露出が間欠的な上に、さらに撮影さるべき実体の照明を週期的にして両者の週期を加減すれば、そこからもまたいろいろな技巧が生まれるであろう。
— 寺田寅彦 『映画の世界像』 青空文庫
特別な設計をした振動台の上に固定された椅子に被試験者を腰掛けさせ、そうしてその台にある一定週期の振動を与えながらその振幅をいろいろに増減する。
— 寺田寅彦 『空想日録』 青空文庫