後ろ頭
うしろあたま
名詞
標準
文例 · 用例
後ろ頭か、首筋に寒気でもするんかい」 私は又、実際、セコンドメイトが、私の眼の前に、眼の横ではいけない、眼の前に、奴のローラー見たいな首筋を見せたら、私の担いでいた行李で、その上に載っかっている、だらしのないマット見たいな、「どあたま」を、地面まで叩きつけてやろう!
— 葉山嘉樹 『浚渫船』 青空文庫
後ろ頭だけなら、誰って怪しみはしないさ。
— 葉山嘉樹 『乳色の靄』 青空文庫
そんなに俺の後ろ頭ばかり見てたって。
— 葉山嘉樹 『乳色の靄』 青空文庫
しかし、神田は遠い壁際にたたずんでおりまして、フランケンと同国の大使館員と同席、会話いたしておりました」「そうだろうよ」 海舟はゆっくりとぎ終ると、ナイフを逆手に、後ろ頭をチョイときって、懐紙をとりだして悪血をとる。
— その一 舞踏会殺人事件 『明治開化 安吾捕物』 青空文庫
とぎ終ると、ナイフを逆手にもって、チョイと後ろ頭をきる。
— その二 密室大犯罪 『明治開化 安吾捕物』 青空文庫
ちよつと見えたと思はれた後ろ頭のぐあひから、どうやら女らしいと思はれたのだが、果して実際見えたものやら見えた感じがしたものやら、それすら至極曖昧であつて、そのうちに、草をわけて逃げて行くガサ/\といふ物音も全くきこえなくなつてしまつた。
— 坂口安吾 『逃げたい心』 青空文庫
一同の意見をきき合はせると、後ろ頭の見えたことは確からしく、女らしいといふ点では一致したが、そのほかのことになると例の仕事着の山の農婦であつたらしいと言ふ者もあり、和服の女で白地の着物が草のあひだにのぞけて見えたといふ者もあつて、全く意見は区々だつた。
— 坂口安吾 『逃げたい心』 青空文庫
少年は、しばらくじっとしていたが、そのうちはうようにして、やっと背中の重い荷物を銀行の入り口の石段の上に乗せて、はげしく締めつける胸の重みをゆるめたが、まだ気分が悪いとみえて、後ろ頭を箱につけて仰向けになったまま目を閉じたのでした。
— 小川未明 『波荒くとも』 青空文庫