涙声
なみだごえ
名詞
標準
tearful voice
文例 · 用例
嘉助、暗然と涙声で、T「仲蔵は、 我子とは思わぬ」 と云って、T「雪枝 そなたもあれを、 兄とは考えるでないぞ」 と云われて、雪枝が涙ぐんで承知して見せると、 老人も泌々、T「わしは、あれの 素晴らしい評判を、 聞くだけで、 もう満足……」 武家気質の老人が淋しい満足です。
— 山中貞雄 『中村仲蔵』 青空文庫
」 京一は、ついに、まかないの棒のことを云い出して、涙声になってしまった。
— 黒島傳治 『まかないの棒』 青空文庫
お聞き、」と涙声で、枕も上らぬ寝床の上の露草の、がッくりとして仰向けの淋い素顔に紅を含んだ、白い頬に、蒼みのさした、うつくしい、妹の、ばさばさした天神髷の崩れたのに、浅黄の手絡が解けかかって、透通るように真白で細い頸を、膝の上に抱いて、抱占めながら、頬摺していった。
— 泉鏡花 『三尺角』 青空文庫
」涙声にさえなっていた。
— 太宰治 『デカダン抗議』 青空文庫
「磯さん私は最早つくづく厭になった」と言い出してお源は涙声になり「お前さんと同棲になってから三年になるが、その間|真実に食うや食わずで今日はと思った日は一日だって有りやしないよ。
— 国木田独歩 『竹の木戸』 青空文庫
女房もおろおろ涙声になって、「まあ、どうしましょう。
— 太宰治 『新釈諸国噺』 青空文庫
」 と婀娜な涙声になって、「羽織が無いから日中は出られない、と拗ねたように云うのがねえ、どんなに嬉しそうだったでしょう。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
さちよのオリガが、涙声でそういうのが、廊下にまで聞えて来る。
— 太宰治 『火の鳥』 青空文庫
作例 · 標準
「大丈夫だよ…」と言う彼女の涙声は、今にも崩れ落ちそうなほど震えていた。
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電話越しに聞こえる妹の涙声に、私はただならぬ事態が起きたことを直感した。
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「すいません、ちょっと…」と、彼は涙声で会見を一時中断した。
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