火取り
ひとり
名詞
標準
文例 · 用例
彼等のあるものは火取り虫のように却って羽を焼かれ、あるものは虫入り水晶の虫のように晶結させられてしまった。
— 岡本かの子 『富士』 青空文庫
そうして、向きを変えてこっちへ舞いもどって来たかと思うと、あたかも火取り虫が火にむかってくるように、女房の持っている提灯を目がけて一直線に飛んで来たので、女房はきゃっといって提灯を投げ出して逃げた。
— 岡本綺堂 『異妖編』 青空文庫
「如法暗夜の火取り虫を、室へ窃かに忍ばせたと見える」呟くと共に三太夫は、ハーッと息を吐き出した。
— 国枝史郎 『蔦葛木曽棧』 青空文庫
私の熱い額には、彼等の眼が火取りレンズのやうに燒きつくのが感じられた。
— ブロンテイ 『ジエィン・エア』 青空文庫
そうしてたまたまこの話の少年の家では、瓦が一枚だけあって、それを火取りの用に供していたのである。
— 柳田国男 『雪国の春』 青空文庫