懲
懲
名詞
標準
文例 · 用例
亜字は支那太古の官服の模様として「取臣民背悪向善、亦取合離之義去就之義」といわれているが、勧善懲悪や合離去就があまり執拗に象徴化され過ぎている。
— 九鬼周造 『「いき」の構造』 青空文庫
「支那も昔は聖賢の教ありつる国」で、孔孟の生れた中華であったが、今は暴逆無道の野蛮国であるから、よろしく膺懲すべしという歌が流行った。
— 萩原朔太郎 『日清戦争異聞(原田重吉の夢)』 青空文庫
我れ少年の日は、常に麥笛を鳴らして此所を過ぎ、長き煉瓦の塀を※りて、果なき憂愁にさびしみしが、崖を下りて河原に立てば、冬枯れの木立の中に、悲しき懲役の人人、看守に引かれて石を運び、利根川の淺き川瀬を速くせり。
— 萩原朔太郎 『氷島』 青空文庫
――性懲りもなく太陽と光栄とを視守つてゐる。
— 中原中也 『ヂェラルド・ド・ネルヴァル』 青空文庫
だが、今は私は、一銭の傷害手当もなく、おまけに懲戒下船の手続をとられたのだ。
— 葉山嘉樹 『浚渫船』 青空文庫
――船長は明朝になったら、三上を懲戒下船命令を発して、一年間あるいは三年間ぐらいは乗船不可能にしてしまうだろう。
— 葉山嘉樹 『海に生くる人々』 青空文庫
そして、おもての者たちにとっては、それは、灰色に塗りつぶされた、懲役囚の一夜のように惰力的な一夜であった。
— 葉山嘉樹 『海に生くる人々』 青空文庫
一八六三年、法刑及び懲役にされた、囚徒の給養や労働状態について、英国政府が調査した結果からマルクスは、ポートランドの監獄囚徒が、農業労働者や、植字工などよりも、よい営養をとっていたことを証明している。
— 葉山嘉樹 『海に生くる人々』 青空文庫