情郎
じょうろう
名詞
標準
文例 · 用例
「そんな心懸じゃあ盲目の夫の前で、情郎と巫山戯かねはしないだろう。
— 泉鏡花 『黒百合』 青空文庫
花屋の庭は美しかろう、散歩の時は寄ってみるよ、情郎は居ないか、その節邪魔にすると棄置かんよ、などと大上段に斬込んで、臆面もなく遊びに来て、最初は娘の謂うごとく、若山を兄だと思っていた。
— 泉鏡花 『黒百合』 青空文庫
樵夫の娘爪先を爐にあたたむる雪の朝、いきふく聲を洩れ聞きて、情郎こそ呼べと駈けいでて、あはれや軒に立ちくらし、凍えて泣きし談あり。
— 薄田泣菫 『泣菫詩抄』 青空文庫
侯爵夫人に情郎あり。
— ―寿陵余子の仮名のもとに筆を執れる戯文― 『骨董羹』 青空文庫
今、その一例を挙ぐるに、伊豆下田近傍のもの、自身の妻に情郎あるかなきかをコックリに向かってたずねたるに、情郎ありという答えを得たるをもって、ただちにその妻に離縁を命じたりという。
— 井上円了 『妖怪玄談』 青空文庫
鳴雪翁のうれしさはあたかも情郎の情婦におけるが如く、親の子におけるが如くにて体裁も不体裁もなくただむやみやたらに嬉しき也。
— 高浜虚子 『子規居士と余』 青空文庫