瞻る
まばる
動詞-五段-ラ行
標準
to keep a watch (on)
文例 · 用例
何んにも言わず急にものもいわれないで瞻ると、親仁はじっと顔を見たよ。
— 泉鏡花 『高野聖』 青空文庫
特にこの辺りは川幅も濶くかつ差し潮の力も利けば、大潮の満ち来る勢に河も膨るゝかと見ゆる折柄、潮に乗りて輾り出づる玉兎のいと大にして光り花やかなるを瞻る、心もおのづから開くやう覚えて快し。
— 幸田露伴 『水の東京』 青空文庫
見上げると両側の山は切り削いだように突っ立って、それに雑木や赭松が暗く茂っていますから、下から瞻ると空は帯のようなのです。
— 国木田独歩 『女難』 青空文庫
舳櫓を押せる船子は慌てず、躁がず、舞上げ、舞下る浪の呼吸を量りて、浮きつ沈みつ、秘術を尽して漕ぎたりしが、また一時暴増る風の下に、瞻るばかりの高浪立ちて、ただ一呑と屏風倒に頽れんずる凄じさに、剛気の船子も※呀と驚き、腕の力を失う隙に、艫はくるりと波に曳れて、船は危く傾きぬ。
— 泉鏡花 『取舵』 青空文庫
呆氣に取られて瞻るのを、優しい洋傘の影から、打傾いて流眄で、「お手紙の上書で覺えましたの……下郎は口のさがないもんですわね。
— 泉鏡太郎 『艶書』 青空文庫
小児ら、居分れて、しげしげ瞻る。
— 泉鏡花 『多神教』 青空文庫
」 と、一面識も無き者の我名を呼ぶに綾子は呆れ、婦人の顔を瞻るのみ。
— 泉鏡花 『貧民倶楽部』 青空文庫
はツとばかり胸をうちて瞻るひまに衰へゆく。
— 泉鏡花 『紫陽花』 青空文庫
作例 · 標準
犯人は常に監視されており、その動向を瞻っていた。
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