橋際
はしぎわ
名詞
標準
文例 · 用例
生れて始めて両親を離れ、飛び立つ思ひなり、その秋の暮、寒い夜に丸太町橋際の古本屋で「ダダイスト新吉の詩」を読む。
— 中原中也 『我が詩観』 青空文庫
お父さんはね、お侍が浪人をしたのですって、――石橋際に居て、寺子屋をして、御新造さんの方は、裁縫を教えたんですっさ、才ちゃんなんかの若い時分、お弟子よ。
— 泉鏡花 『吉原新話』 青空文庫
杖を兩手に犇と掴んで根を極め、がツしりと腰を据ゑ、欄干のない橋際を前へ九分ばかり讓つて、其處をお通り下さりませ、で、一分だけわがものに背筋へ瀧の音を浴びて踞んで、うつくしい魔の通るのを堪へて待つたさうである。
— 泉鏡花 『遺稿』 青空文庫
新橋際まで来て、そこの電車路を西側に渡った。
— 岡本かの子 『母子叙情』 青空文庫
何處を何う行くのだつけ、あやふやなものだけれど、日和は可し、風も凪ぎ、小川の水ものんどりとして、小橋際に散ばつた大根の葉にも、ほか/\と日が當る。
— 泉鏡太郎 『松の葉』 青空文庫
大島絣に縞縮緬の羽織を着たのが、両袖を胸に合せ、橋際の柱に凭れて、後姿で寂しそうに立っている。
— 泉鏡花 『白花の朝顔』 青空文庫
杖を両手に犇と掴んで根を極め、がッしりと腰を据え、欄干のない橋際を前へ九分ばかり譲って、其処をお通り下さりませ、で、一分だけわがものに背筋へ滝の音を浴びて踞んで、うつくしい魔の通るのを堪えて待ったそうである。
— 遺稿 『遺稿』 青空文庫
)されば、お夏の姿が、邸のもみじに入ると斉く、だぶだぶ肥った、赤ら顔の女房が、橋際の件の茶店の端へ納戸から出て来た。
— 泉鏡花 『式部小路』 青空文庫