幻辞.com

弓杖

ゆんづえ
名詞
1
標準
文例 · 用例
「鮹の燐火、退散だ」 それみろ、と何か早や、勝ち誇った気構えして、蘆の穂を頬摺りに、と弓杖をついた処は可かったが、同時に目の着く潮のさし口。
泉鏡花 海の使者 青空文庫
彼は這いながら岩の上に降りて来ると、弓杖ついて崩れた角髪をかき上げながら、渦巻く蔓の刺青を描いた唇を泉につけた。
横光利一 日輪 青空文庫
」 素戔嗚は高い岩の上に、ぢつと弓杖をつきながら、兇猛な微笑を浮べてゐた。
芥川龍之介 老いたる素戔嗚尊 青空文庫
素戔嗚は弓杖をついたなり、ぢつとこの舟へ眼を注いだ。
芥川龍之介 老いたる素戔嗚尊 青空文庫
それにかこまれて、沙金は一人、黒い水干に太刀をはいて、胡※を背に弓杖をつきながら、一同を見渡して、あでやかな口を開いた。
芥川龍之介 偸盗 青空文庫
沙金は、この騒ぎのうちにも冷然とたたずみながら、ことさら月の光にそむきいて、弓杖をついたまま、口角の微笑もかくさず、じっと矢の飛びかうのを、ながめている。
芥川龍之介 偸盗 青空文庫
自分は弓杖を突いて……というのも凄まじいがいわゆる弓杖を突いて、あたりに敵もいないのに、立木を敵と見廻してきっとして威張ッていた。
矢崎嵯峨の舎 初恋 青空文庫
苦しんではねるので馬を下りて弓杖をついて立った。
第九巻 現代語訳 平家物語 青空文庫