袢草
袢草
名詞
標準
文例 · 用例
市郎は悸然として熟視ると、これはとは大差ない程に見ゆる下級労働者らしい扮装で、年の頃は五十前後でもあろう、髪を長く伸して、尖った顔に鋭い眼を晃らせ、身には詰襟の古洋服の破れたのを着て、足には脚袢草鞋を穿いていた。
— 岡本綺堂 『飛騨の怪談』 青空文庫
其人等は皆|脚袢草鞋の出立ちでもとより荷物なんどはすこしも持っていない。
— 正岡子規 『死後』 青空文庫
彼等はみんな、白い股引に脚袢草鞋をつけていたが、焦げるような日に照りつけられて、汗をダラダラ垂らしていた。
— 宮嶋資夫 『恨なき殺人』 青空文庫
写真も撮さなければ記録も取らない、至って暢気な山旅ではあり、支度といえば単物に脚袢草鞋、荷物といっても着換の単物二、三枚にシャツ一、二枚、それに寒さの用意として真綿入りの筒袖襦袢二枚、それを油紙に包んで振分けにして肩に掛けた身軽さの為か、ゆっくり歩く積りでもいつか急ぎ足になってしまう。
— 木暮理太郎 『北岳と朝日岳』 青空文庫