隠
いん
名詞
標準
文例 · 用例
うまくいって逃げようたってそうはいかない」 農家の楽隠居に、糟谷がいまの腹のわかるはずがない。
— 伊藤左千夫 『老獣医』 青空文庫
結局両親は自分たちの隠居金を全部むすめにあたえて、「ふたりの男の子をせい一ぱい教育しなさい、そうしてわが世をあきらめて、ふたりの子の出世をたのしめ」とさとしたのである。
— 伊藤左千夫 『老獣医』 青空文庫
岩角に隠れた河岸の紅葉も残り少なく、千樫と予とふたりは霜深き岨路を急いだ。
— 伊藤左千夫 『白菊』 青空文庫
母の袖の下へ隠れるようにしてお松の顔を見た。
— 伊藤左千夫 『守の家』 青空文庫
それでも建ちは割合に高くて、簡単な欄間もあり銅の釘隠なども打ってある。
— 伊藤左千夫 『野菊の墓』 青空文庫
その釘隠が馬鹿に大きい雁であった。
— 伊藤左千夫 『野菊の墓』 青空文庫
時には僕が余り俄に改まったのを可笑しがって笑えば、民子も遂には袖で笑いを隠して逃げてしまうという風で、とにかく一重の垣が二人の間に結ばれた様な気合になった。
— 伊藤左千夫 『野菊の墓』 青空文庫
僕の精神状態がいつの間にか変化してきたは、隠すことの出来ない事実である。
— 伊藤左千夫 『野菊の墓』 青空文庫