鈕
ちゅう
名詞
標準
文例 · 用例
令夫人は許嫁で、お妙は先生がいまだ金鈕であった頃の若木の花。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
」 風の、その慌しい中でも、対手が教頭心得の先生だけ、もの問れた心の矜に、話を咲せたい源助が、薄汚れた襯衣の鈕をはずして、ひくひくとした胸を出す。
— 泉鏡花 『朱日記』 青空文庫
これが答はなさずして、胸の間の釦鈕を懸けつ。
— 泉鏡花 『琵琶伝』 青空文庫
さういふ時爺いさんは紋に Constantia et fidelitas といふラテン語の鋳出してある、銀の控鈕の附いてゐる、古い、地の悪くなつたリフレエ服を着て、痛風で曲がつた指に、寛い白麻の手袋を嵌めて出て来る。
— DAS FAMILIENFEST 『祭日』 青空文庫
「しまった、お母さん、いい場所を先に取られちゃった」 かの女をモンパルナスのキャフェ・ド・ラ・クーポールに導いて入ったむす子は、ダブル鈕の上着のポケットから内輪に手を出し、ちょっと指してそういった。
— 岡本かの子 『母子叙情』 青空文庫
官|之を悪みて賽児を捕えんとするに及び、賽児を奉ずる者|董彦杲、劉俊、賓鴻等、敢然として起って戦い、益都、安州、るに、刀刃入る能わざりければ、已むを得ずして復獄に下し、械枷を体に被らせ、鉄鈕もて足を繋ぎ置きけるに、俄にして皆おのずから解脱し、竟に遯れ去って終るところを知らず。
— 幸田露伴 『運命』 青空文庫
お前はこの薔薇を控鈕の穴にお插し。
— ROSEN 『薔薇』 青空文庫
それでもまだ気が済まないのか、どの鉢の上にも、控鈕に插すやうな花を一つづつ載せた。
— ROSEN 『薔薇』 青空文庫