心付き
こころづき
形容動詞
標準
文例 · 用例
そして私がそれを着て出まして、指環を受取りますつもりなのでございましたが、なぶってやろう、とおっしゃって、奥様が御自分に烏の装束をおめし遊ばして、塀の外へ――でも、ひょっと、野原に遊んでいる小児などが怪しい姿を見て、騒いで悪いというお心付きから、四阿へお呼び入れになりました。
— 泉鏡花 『紅玉』 青空文庫
これをば心付き候時は、ハヤその物体の頭は二、三十|間わが眼の前を走り去り候て、いまはその胴中あたり連りに進行いたしをり候が、あたかも凧の糸を繰出す如く、走馬燈籠の間断なきやう俄に果つべくも見え申さず。
— 泉鏡花 『凱旋祭』 青空文庫
私は余り折檻が辛うございますから、確に思い切りますと言うんですけれども、またその翌晩同じ事を言って苦しめられます時、自分でも、成程と心付きますが、本当は思い切れないのでございますよ。
— 泉鏡花 『湯女の魂』 青空文庫
喫驚仰天はこれのみならず、蝙蝠がすッと来て小宮山の懐へ、ふわりと入りましたので、再びあッと云って飛び上ると同時に、心付きましたのは、旧の柏屋の座敷に寝ていたのでありまする。
— 泉鏡花 『湯女の魂』 青空文庫
さてチョッキのみになりたるに心付き、床の上にある上着を取上げ着る。
— ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 『家常茶飯』 青空文庫
(娘の顔の甚しき失望を表わせるに心付きて詞急に。
— ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 『家常茶飯』 青空文庫
娘は忽ち画家の己れを見るに心付き、詞急に。
— ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 『家常茶飯』 青空文庫
』と思はず叫んだが、不圖傍に日出雄少年が安らかに眠つて居るのに心付き、や、詰らぬ事をと、急ぎ其方を見ると少年は、今の聲に驚き目醒め、むつと起きて、半身を端艇の外へ出したが、忽ち驚き悦の聲で『島が!
— 押川春浪 『海島冐檢奇譚 海底軍艦』 青空文庫