来し方
きしかた異読 こしかた
名詞
標準
the past
文例 · 用例
風に吹かれつ、わが来し方に茫然としぬ、……涙しぬ。
— 中原中也 『夏と私』 青空文庫
来し方往く末、おもひ忘れて夢路をたどるやうなりしが、何物ぞ、俄にその空虚なる胸にひゞきたると覚しく、女子はあたりを見廻して高く笑ひぬ。
— 樋口一葉 『軒もる月』 青空文庫
二人は来し方の一年間を思いかえした。
— 黒島傳治 『雪のシベリア』 青空文庫
心着けば旧来し方にはあらじと思う坂道の異なる方にわれはいつかおりかけいたり。
— 泉鏡花 『龍潭譚』 青空文庫
路は、あわれ、鬼の脱いだその沓を跨がねばならぬほど狭いので、心から、一方は海の方へ、一方は橿原の山里へ、一方は来し方の巌殿になる、久能谷のこの出口は、あたかも、ものの撞木の形。
— 泉鏡花 『春昼後刻』 青空文庫
これから直にお葉の行方を追う意であろう、彼は旧来し方へ直驀地に駈けて行った。
— 岡本綺堂 『飛騨の怪談』 青空文庫
心着けば旧来し方にはあらじと思ふ坂道の異なる方にわれはいつかおりかけゐたり。
— 泉鏡花 『竜潭譚』 青空文庫
こゝはや藪の中央ならむと旧来し方を振返れば、真昼は藪に寸断されて点々星に髣髴たり。
— 泉鏡花 『妖怪年代記』 青空文庫
作例 · 標準
「古希のお祝いで、自分の歩んできた来し方行く末を振り返り、感謝の言葉を述べた。」
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「古い写真帖をめくっていると、今はなき両親と過ごした来し方の情景が鮮やかに蘇る。」
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「旅の終わりに、列車から暮れなずむ景色を眺めながら、自らの来し方に思いを馳せた。」
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