塀越し
へいごし
名詞
標準
over a wall
文例 · 用例
黒田の居た二階の縁側に立って見ると、裏の塀越しにイタリア人の家の庭から縁側が見下ろされる。
— 寺田寅彦 『イタリア人』 青空文庫
二ツ目の辻の右の角は赤煉瓦の塀で取り囲まれた一劃となって、其の塀越しにすっきりと眼もさめるような白堊の軍艦が浮んで見える。
— 岡本かの子 『ガルスワーシーの家』 青空文庫
陽の光は谷の下の人家の塀越しに見える若葉を照らしてゐた。
— 田中貢太郎 『あかんぼの首』 青空文庫
そこここの塀越しに枝を張っている嫩葉にも風がなかった。
— 田中貢太郎 『指環』 青空文庫
自分のかかり合いになるのを恐れて、お関は役人に対して何も口外しなかったが、前後の模様からかんがえると、自分が七蔵の座敷に忍びこんだときに、喜三郎は人を殺して帰って来て、七蔵となにか相談して又そこを出て、中庭から塀越しに逃げ去ったものらしく思われた。
— 山祝いの夜 『半七捕物帳』 青空文庫
庭の木立を洩れる音を塀越しに聞いて茫然と佇立る人も大分あるさうだ。
— 内田魯庵 『犬物語』 青空文庫
」 私は縁端にちよつと爪立ちをして、地境の板塀越しに一わたり見えるかぎりの近処の植込を覗いてみた。
— 薄田泣菫 『木犀の香』 青空文庫
その頃には庭の大きい柿の実もだんだん紅らんで、近所のいたずら小僧が塀越しに竹竿を突っ込むこともあったが、阿母さんは例の「誰だい」を呶鳴る元気もなかった。
— 岡本綺堂 『綺堂むかし語り』 青空文庫
作例 · 標準
夕暮れ時、隣の家の庭から漂ってくる焼き魚の美味しそうな匂いが、ブロック塀越しに漂ってきて急にお腹が空いた。
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野球のボールを誤って隣の庭に投げ込んでしまい、怒りっぽいおじいさんに塀越しから必死に謝って返してもらった。
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刑務所の高いコンクリート塀越しに、自由な空を飛ぶ鳥の群れを眺めながら、受刑者は故郷に残してきた家族を想った。
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