刻み目
きざみめ
名詞
標準
notch
文例 · 用例
この時期に、文化・文学の辿って来た歴史の伝統の刻み目の内容を着実に含味しようとせず、空に飛行機を舞わせつつ、文学精神の面においてだけは青丹よし寧楽の都数千年の過去にたちかえらんとしても、幻を喰って生きていられるだけの余裕に立ってそれを主唱している少数の人々以外には、深き困惑に陥るのである。
— 宮本百合子 『今日の文学の展望』 青空文庫
刻み目の粗い田舎の顔の上へ、車窓をとび過る若葉照りが初夏らしく映った。
— 宮本百合子 『北へ行く』 青空文庫
これらの波止場人足や浮浪人、泥棒、けいず買い等の仲間の生活は、これまで若いゴーリキイがこき使われて来た小商人、下級勤人などのこせついた町人根性の日暮しとまるでちがった刻み目の深さ、荒々しさの気分をもってゴーリキイを魅した。
— 宮本百合子 『マクシム・ゴーリキイの発展の特質』 青空文庫
今自分が生活の中から感じていることは、多様で、刻み目も深い。
— 宮本百合子 『鈍・根・録』 青空文庫
しーんとした夜の縁端で鏡の中に迫って鮮やかな自分の生きている一人の顔と遠景をなしている月や森を凝っと見ていると、日中のきまりきった暮しの表面からでは見えない人生の刻み目があって、そのひとつが今夜珍しくも自分に呼びかけても来るように感じられて来るのであった。
— 宮本百合子 『鏡の中の月』 青空文庫
鍔は尋常より一廻り大きく、足かかっても辷らぬよう、刻み目多く刻してあるはず。
— 国枝史郎 『血煙天明陣』 青空文庫
わたしの町の多くの人が記憶している範囲内でも、この家が立っている近くの道は、住民の笑いとおしゃべりでさざめき、両側の森はかれらのささやかな庭や住居によって刻み目をつけられ点々を入れられていたことがあったのである。
— WALDEN, OR LIFE IN THE WOODS 『森の生活――ウォールデン――』 青空文庫
」 燦とした黄金づくりのお顔のこまやかな刻み目にも、もはや古い埃がつやをつくって沈んでみえ、筒井は両のたなごころに据えてしばらく、じっと拝するがごとく見恍れた。
— 室生犀星 『津の国人』 青空文庫
作例 · 標準
薪に刻み目を入れて、割りやすくした。
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竿に年々の成長の刻み目をつけている。
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古いテーブルの縁には、無数の刻み目が残っていた。
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ベルトの刻み目を一番奥まで締めてもまだ緩い。
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