空念仏
そらねんぶつ異読 からねんぶつ
名詞
標準
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文例 · 用例
彼は空念仏を唱へながら、滅多に彼の部屋の外へ出ないため、俄かに彼の部屋専用に付けさせた便所へ出入りするやうになつた。
— 岡本かの子 『老主の一時期』 青空文庫
しかし、大阪が焦土の中から果して復興出来るかどうか、「花屋」の主人と参ちゃんが「起ち上る大阪」の中で書ける唯一の材料かと思うと、何だか心細い気がして、「起ち上る大阪」などという大袈裟な題が空念仏みたいに思われてならなかった。
— 織田作之助 『神経』 青空文庫
その願いは、長く空念仏に終わってきたが、ファイルの複製と移動のコストを激減させるコンピュータ技術と結び付いて、手応えのある現実に変わった。
— 著作権保護期間延長が青空文庫にもたらすもの 『「天に積む宝」のふやし方、へらし方』 青空文庫
自分の頭の働きにも自信はなし、ほかにこれといった取柄もないとあきらめている彼は、しょっちゅう彼女に結婚を申込んで、ほかの男の言うことは、要するに空念仏に過ぎないと、ほのめかすのであった。
— ツルゲーネフ 『はつ恋』 青空文庫
松さんがその事を帰りに訊いたら、「空念仏だ。
— 長谷川時雨 『西川小りん』 青空文庫
」 なまいだ、なまいだ、なまいだ、と棺から出てきても空念仏を言いつづけていた。
— 長谷川時雨 『テンコツさん一家』 青空文庫
彼らは個人的にも国家的にも、唯だ利己主義的な欲望さえ満足すれば好いので、それ以上の高遠な理想を持っていませんから、正義は要するに鬼の空念仏であって、実際に利己主義を貫徹するためには、如何なる厚顔無恥な手段をも採り、正義に対する反省も、自己の食言に対する羞恥も、全く思料の外に抛擲してしまいます。
— 与謝野晶子 『非人道的な講和条件』 青空文庫
かう言ふ世相はうつしても、上の空だから、空念仏のやうな、「あはれ/\」の文学である。
— 折口信夫 『手習鑑雑談』 青空文庫
作例 · 標準
彼の約束はいつも空念仏で、何も実行されない。
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