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空き屋敷

あきやしき
名詞
1
標準
文例 · 用例
元来がほとんど武家屋敷ばかりであった所へ、維新の革命で武家というものが皆ほろびてしまったのであるから、そこらには毀れかかった空き屋敷が幾らもある。
岡本綺堂 探偵夜話 青空文庫
殊に維新以後はその武家屋敷の取りこわされたのもあり、あるいは住む人もない空き屋敷となって荒れるがままに捨てて置かれるのもあるという始末で、さらに一層の寂寥を増していた。
岡本綺堂 探偵夜話 青空文庫
ただそれだけのことで遣り取りが済んだのであるが、明治の初年にはこんな空き屋敷を買う者もない。
岡本綺堂 探偵夜話 青空文庫
こういう事情で建ちぐされのままになっていた空き屋敷を、わたしの父がやすく買い取って、それに幾らかの手入れをして住んでいたのであるから、今から考えるとあまり居ごころのよい家ではなかったらしい。
岡本綺堂 探偵夜話 青空文庫
屋敷はすぐそこじゃ」 誰やらの空き屋敷を仮りの宿所にあてているらしく、構えの大きい割には屋敷の内もひどく荒れて、うす暗い庭には秋草がおどろに乱れてそよいでいた。
岡本綺堂 玉藻の前 青空文庫
化生の物がこの空き屋敷の奥にかくれ住んでいて、自分をたぶらかすのではないかとも疑われた。
岡本綺堂 玉藻の前 青空文庫
「いまお台所を見て来たんですよ」と彼女は云った、「お釜も鍋も錆びてるしお櫃は乾いてはしゃいでるし、埃だらけでごみだらけで、空き屋敷みたようでした、御家来もお端下もいないんですか」 半三郎は頷いた。
山本周五郎 あだこ 青空文庫
――そこで彼は空き屋敷の内から酒をさがさせ、郎党七人と外で車座で飲みはじめた。
建武らくがき帖 私本太平記 青空文庫