見出だす
みいだす
動詞
標準
文例 · 用例
緩慢な、回顧的な生活にのみ囲繞されている地上の生活に於て、私はその最も純粋に近い現われを、相愛の極、健全な愛人の間に結ばれる抱擁に於て見出だすことが出来ると思う。
— 有島武郎 『惜みなく愛は奪う』 青空文庫
が、それまで眩ゆい日の光に慣れていた眼は、そこに瞳を痛くする暗闇を見出だすばかりだった。
— 有島武郎 『星座』 青空文庫
ふと駕籠の窓より見出だすに、赤き火黒き烟入り乱れて、物音すさまじければ、心もそらになりて物も覚えでぞ行く。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
その俳優は旅役者の果てもあれば、小芝居|根生いの者もあったが、またそのうちには何かの事情で大芝居から小芝居へ流れ落ちた者もまじっていて、そこに侮るべからざる腕利きを見出だすこともあった。
— 岡本綺堂 『明治劇談 ランプの下にて』 青空文庫
登場俳優の役名などを見出だすには、実際この方が便利であるに相違ないので、初めの反対者も結局は降伏して、だんだんにその改良を讃美するようになってしまった。
— 岡本綺堂 『明治劇談 ランプの下にて』 青空文庫
もっと常態な、健康なものの中に神秘を見出だすという方面へ氏の努力が転向されたなら、氏の想像力はもっと効果のある作品を生みだすに相違ない。
— 平林初之輔 『乱歩氏の諸作』 青空文庫
本流では、あるいは手近かなところに土人の漁場を見出だすことが出来るかも知れない。
— 本庄陸男 『石狩川』 青空文庫
けだし余は幾多の歌集を見、幾多の歌人につきて研究したる結果、真箇の万葉崇拝者をただ一人だに見出だす能はざるに失望し、歌人のふがひなく無見識なるは殆ど罵詈にも値せずと見くびり居る時に当りて始めて平賀元義の歌を得たるを以て余はむしろ不思議の感を起したるなり。
— 正岡子規 『墨汁一滴』 青空文庫