石菖
せきしょう異読 セキショウ
名詞
標準
Japanese sweet flag (Acorus gramineus)
文例 · 用例
だが二十前年頃までは、誰が植ゑたのか、ひとりでに生えたのか、葉の長い石菖が繁茂してゐた。
— 木下杢太郎 『すかんぽ』 青空文庫
庭の葡萄の枯葉、石菖、野芹などを眺めてゐると、陽炎で目が霞んだ。
— 木下杢太郎 『海郷風物記』 青空文庫
縁側からその便所へは一跨ぎの渡廊下がついていて、昼見ると下には清水の流れている小溝があって石菖などが生えていた。
— 田中貢太郎 『料理番と婢の姿』 青空文庫
水口につどへる群のくろぐろと泳ぎて鮒も水もひかれりいしたたきあきつ蛙子あそび恍け池にうつれる庭石の影まひおりて石菖のなかにものあさる鶺鴒の咽喉の黄いろき見たり庭石のひとつひとつに蜥蜴ゐて這ひあそぶ晝となりにけるかな
— 温泉宿の庭 『樹木とその葉』 青空文庫
」「それでもやっぱり、私の内さ、兄さん……」 と颯と寂しい影がさしたが、「兄さんが大好きで、そっちの物置の窓から、よく足をぶら下げて屋根を覗いた、石菖鉢の緋目高ね……」 と、唇か、瞼か。
— 泉鏡花 『卵塔場の天女』 青空文庫
西瓜の粒が大きく成るというので彼は秋のうちに溝の底に靡いて居る石菖蒲を泥と一つに掻きあげて乾燥して置く。
— 長塚節 『太十と其犬』 青空文庫
雪の天城越幾年か見ざりし草の石菖の青み茂れり此処の渓間に 乗合自動車の故障の直されるあいだ、私はツイ道ばたを流れている渓の川原に降り立って待っていた。
— 若山牧水 『みなかみ紀行』 青空文庫
洪水のあとらしい荒れ白んだ粒々の小石の間に伸びている真青な草を認めて、フト幼い頃の記憶を呼び起しながら摘み取って嗅いで見ると正しく石菖であった。
— 若山牧水 『みなかみ紀行』 青空文庫
作例 · 標準
端午の節句には、厄除けのために石菖を軒下に吊るす習慣が残っている地域がある。
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「石菖の爽やかな香りは、心身を清めてくれるような気がしますね」と茶人が微笑んだ。
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湿り気のある岩場に群生する石菖の緑が、渓流の景色を鮮やかに彩っている。
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